【代表の挨拶（チラシより）】

くじら企画ＨＰには今作品について「佐賀と長崎で保険金目当てに夫と次男を殺害した女性の、足掛け１０年に渡る修羅の人生を追う試み。」と書かれてある。それはまさしくその通りである。本家なのだから当たり前なのだけれど、非常に端的だし「試み」という言葉に謙虚な印象を受けた。演劇をやっている人の中には、実験や試みという表現を嫌う人もいる。言葉の響きが過激っぽいので気持ちは分からなくはないが。僕は創作をする際は常にある種の「実験」をしていると思っている。それは完成度の問題ではなく、自分にとって常に新しい「何か」を探しているからである。演劇に１００点はない。本番でさえも。だから公演を終える度、もっと出来たのではないか？次はもっと良いものを目指そうと思う。そう思い続けることで歩みを止めないでいられる。みんなもやっていることだろうけど。だから今作「海のホタル」を創作することも、僕にとっては「試み」であり「実験」なのだ。…カラ／フルを初めて１０年、僕は実験をずっと続けている。答えはきっと出ない。だが、それでいいのだ。完成したらそこで歩みも止まる。僕はもっと走っていたい。僕達カラ／フルの実験結果、途中経過をぜひ観てもらいたい。大丈夫、完璧ではないけれど、完成はさせるつもりです。

最後に、今作の上演を快く快諾してくださったくじら企画さまに厚く御礼申し上げます。



カラ／フル vol.6
結成10周年記念公演
大竹野正典没後10年記念公演

「海のホタル」